リアル!中国大陸記

中国大好き~! 京都出身の筆者が中国ローカル旅を記録します。

中国への個人旅行は目的地に行くだけでも大変です。そこで、筆者が直接リアルに乗り込んガイドブックには載っていない情報を中心にレポート致します! 中国資本のCtrip・wechat・春秋航空も活用。

中国にあるドイツ観光。青島のドイツ租界時代建築~「信号山公園エリア」編~

 

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中国 山東省 青島(チンタオ)。
ドイツそして日本の占領下だった時代のある青島。
ドイツのモデル植民地として整備された街の景観は100年以上経った今でも大切に守られている。

路線バス「青医附院」停留所付近を散策する。

 場所は信号山公園エリア。
青島大学付属病院と隣接してます。病院前というとこで、バスの路線もたくさんあります。

青印が代表的な建築物。
緑印は一般住宅。

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バスを降りるとまずは大きな病院がばーーーん!と目に入ってきます。
で、周りを見渡すとそこは「ここってヨーロッパでしたっけ?」と目を疑う風景。
レンガ色の屋根、煙突、ヨーロッパ的な窓枠。それだけでテンション上がっちゃいます。

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大型の邸宅は政府施設などになっているようですが、それ以外は一般住宅ですね。
中国の他の地域の元疎開地もそうですが、集合住宅になっている模様。
中国のこういう建築物が現在でも残されているのは集合住宅になっているからだと思う。個人宅だと個人の意思で改築も建て替えも自由だからね。

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ドイツらしいハーフティンバー構造の邸宅。
全ての建築物に複数の煙突がある。きっとオシャレなタイル貼りの暖炉があるに違いない。
アップしていないが、他にももっともっとたくさんある。

 

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「江蘇路基督教堂(こうそろキリストきょうどう)」
1910年に建造されたドイツプロテスタント教会
高さ36mの時計塔へは螺旋階段を使って登ることができる。
1909年製の機械式時計は今も現役で定時に鐘を鳴らす。時計の心臓部を間近で見ることができる貴重な施設。鐘の鳴る時刻に上にいると全身が共振するほどの大音量の鐘の音を体験できる。
この時代のドイツ建築の特徴”人工物と自然物を融合”させたデザイン。
時計の書体はアールヌーヴォーっぽくクルクル巻いて可愛いv


町の色ともいえる黄色い壁色とレンガ色の屋根が青い空に映える。
戦後は病院施設になったり文化大革命の時には破壊され朽ちていたようだが、1980年以降復興が進み、今のような美しい姿になっている。
ウエディングフォトスポットとしても有名なようで複数の撮影隊が来ていた。

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ドイツ総督の官邸。青島の代表的なドイツ式建築! 
「青島ドイツ総督楼旧址博物館」

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1903年に着工、1906年に完成。
ドイツ総督の官邸として建てられました。
信号山の中腹にあり、非常に見晴らしが良いところに建っています。
見晴らしが良いという事は港からの砲撃や襲撃の危険にもさらされるという事で。敷地内には壕と射撃台が銃創痕と共に生々しく残っています。

ガラス・鉄・コンクリート産業革命の産物といえる素材をふんだんに使い。
それ以前の時代の建築とは全く違う新しい感覚。
建築士と職人の挑戦的な熱量を感じずにはいられませんでした。

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美しい”リベット”使いにも注目。
リベットは鉄板と鉄板を繋げる鋲の事です。現在はリベットより溶接の方が強度が強いのでリベットを使ったものを目撃することが少ないのですが、日本でも戦後までくらいに作られたものでは見ることができます。鉄橋とか、ドイツ製のもの残ってるのありますね(^▽^)/

当時の世界は先端を行くフランスのパリを目指していて、ドイツはフランスに追いつけ追い越せと技術を発達させていた。

その最中に新しく占領した青島で顔となる官邸を建てるとなれば。それはもう最新で前衛的でドイツらしい権固な官邸を建てなければとなったでしょう。

初めて世界が繋がり、新素材が開発され、地球上でもっとも勢いがあった時代だったのではないかと思います。

 

産業革命下での建築巡りも面白い! 

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内部は撮影禁止なので、画像はありません。
その代り、出口のショップでたくさんの建築写真集が売っています。
青島の建築をまとめた本もあります。
写真集買っちゃいましたv

 

余談ですが。
関西人の私にとっては、このドイツ総督官邸跡は「アサヒビール大山崎山荘美術館」の建築と共通するものを感じました。
大山崎山荘はイギリスの様式を取り入れていて。建造年数も少し後ですが、当時最先端の技術を取り入れており。鉄骨を使用したりステンドグラスを使ったりと、使い方が似ている気がしました。

www.asahibeer-oyamazaki.com